新年にあたり社員の皆さんへ 2021.01.25
皆さん、新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年は新年早々大雪が降り、雪かきのため朝礼でお話しする機会がなく、新年会も中止をせざるを得ない状況となり、こんな形で新年のあいさつをすることとなってしまいました。来年は新年会でお酒を片手に明るい新年が迎えられるよう今年も精一杯努力していく一年にしたいと思います。
さて昨年は、新型コロナウィルスに終始した一年でした。前年12月中国武漢に突如発生したウィルスはまたたく間に全世界に広がり、1月初旬、日本で初めて感染者が確認されました。その後、横浜港クルーズ船での集団感染、全国の小中高校の臨時休校となり、東京オリンピックの延期が発表されたのが3月末でした。4月に入って7都府県に緊急事態宣言が発令され、1週間後には全国に拡大、5月末まで緊急事態が続く異常な状態でした。その後、いったんは収束しかけたように見えましたが、7月から始まったGOTOトラベルキャンペーンなどの経済刺激策が始まるとともに感染は拡大し続け、大みそかには東京だけで1300人、全国で4500人の新たな感染者が確認されるというパンデミック状態でした。日本国内はアメリカやヨーロッパに比べればそれでもまだ抑えられているほうで世界はとんでもない状況が続いています。私たちの住む新潟県や新潟市は公共機関や介護施設などで多少のクラスターがあったものの、感染対策に対する意識が高いのか、県民性なのか、感染者が少ない優秀な地域だといえます。わが社の社員や家族に一人の感染者も出なかったことはわが社の誇りであるとともに、皆さんやご家族の日ごろからの感染対策努力に深く感謝いたします。
さて、この間、世界経済も日本経済も大変な打撃を受けました。緊急事態宣言の経済的自粛で4月~6月のGDP国内総生産はマイナス27.8%と、前年比で3割近く落ち込む結果となりました。飲食店は軒並み時短営業を余儀なくされ閉店が相次ぎ、旅行業・観光業界は移動自粛でキャンセル倒産も相次ぎました。我々の業界でもイベントの自粛でかなりの打撃を受けた同業者が大半を占めました。しかし、日経平均株価は3月に最安値16000円台だったのが、年末には27000円台と上がり続けました。このような状況下の中でも成長している企業はあるのです。自粛生活でステイホームに関連した業種、スーパーやドラッグストア、通信販売、宅配業界など、製薬会社や感染対策グッズをいち早く取り扱い始めた企業などが伸びています。社会構造、経済構造は確実に変化しています。時代の潮流を読み取り、いち早く進化したものだけが生き残る、そういう時代です。かつて氷河期に地球上の恐竜が絶滅したように、環境の変化に柔軟に対応できない者は滅んでいくのみです。皆さんにも変化を恐れず、常に進化していく心構えを持っていただきたいと願います。
わが社においては、政府や行政の方針にのっとり、いち早くウィルス感染対策を講じてきました。その甲斐あって感染者が出なかったのは先ほど述べましたが、感染対策と同時に売上補填対策も行いました。政府や行政の補助金・給付金・助成金、無利子融資などのあらゆる経済支援策の情報をキャッチし、要件に該当するものを、社員の皆さんにも休業の協力をいただきながらフル活用してきました。その結果、多くの補助金助成金を投入することができました。ご協力ありがとうございました。雇用調整助成金は2月末まで延長されていますので引き続き休業を推進していきます。
通常業務の推移を見てみますと、既存顧客の●●の出店が順調なこと、営業課諸君の頑張りによる新規顧客の開拓も順調ですが、今期はやはり●●保険や●●銀行の表示変更工事のような特需があったことは順風経営の大きな要因です。12月までの売上は●●万、1月の見込みも●●万近くあり、決算期の3月を待たずして年度目標を大きく上回る見込みです。私が代表に就任してから初めての大台超え、もっというなら、先代のころから過去15年間超えられなかった壁を超えることになります。非常に嬉しいことです。しかし、やはり今年だけの特需による部分が大きいですので、次年度以降も継続顧客が増えるよう努力していかなければなりません。気を引き締めていきましょう。
さて2021年の見通しですが、ビッグイベントとして予定されている昨年延期された夏季五輪、東京オリンピックの開催が微妙です。もともとわが社はオリンピック関連の仕事に期待していたわけではないですが景気浮揚の期待要因がなくなるのは残念なことです。また、最新技術を駆使した演出が見れなくなるのもディスプレイ業界にとっては損失といえるかもしれません。そして、なかなか収束の光が見えない新型コロナウィルスについてですが、来月から医療従事者や高齢者を対象にワクチンの接種がはじまりそうです。一般には5月から接種予定とのことです。これでひと段落してくれたらありがたいですが、変異種も拡大し始めておりますのでまだまだ予断を許さない状況が続くでしょう。わが社の業務としては、引き続き●●の出店業務、●●会社の合併によるブランド変更の業務などが見込まれています。
また、今後の小売店舗業界の見通しですが、ただでさえ少子化による人口減が見込まれているところにこのコロナ禍の影響で対面型、接触型の店舗・サービスは今後どんどん減っていくことが予想されます。そんな中でも注目されているのが無人スマート決済店舗です。すでに都内の一部コンビニ店舗では試験導入されていますがスマホやバーコードタグなどを使用して買い物かごに入れたものを店舗外に持ち出すと自動的に決済されるシステムです。店内滞在時間が短く、店員との接触もなくなるため感染リスクを低減できます。通販大手のAmazonがアメリカでこのシステムを導入した「AmazonGO」という無人スーパーを展開していますが、日本で拡大させるため大手コンビニを買収しようという動きもあるようです。こうした社会の劇的変化に取り残されることなく、アフターコロナも見据えながら、わが社も「変えてはならないもの、変えていかなくてはならないもの」をしっかりと見極め進化していきましょう。
社内の人員体制として、昨年は4月から新卒の●●さんが入社し1名増の18名体制となりました。コロナの関係でいまだに歓迎会ができていないのは非常に悔しく悩ましいところですが、収束したら盛大に行いたいと思います。本年の人員増強として、製作施工課と営業課に若干名ずつ増強を図りたいと考えています。新卒に限らず常に求人を出してはいますが、皆さんの周りでご紹介いただける方がいらっしゃればぜひご相談ください。
さて昨年私はこの場で皆さんの成長を期待する資格取得推進制度について申し上げました。昨年一年間で業務に関係する資格の一覧表を整備したり、資格やセミナーについての案内を置く棚を設置したりしてきました。何度も申し上げますが、会社の成長には社員である皆さん全員の成長が欠かせません。皆さんには毎年必ず一つ以上資格取得やセミナー受講をしていただきたい。それが成長の証となり、業務に生かしたり今後の人生に役立ててほしい。知識を増やし豊かな人生を送ってほしい。そういう思いからこの制度を創設しました。先日配布したシートを元に、後程、皆さんには目標について発表していただきます。
私自身は会社経営の数字のバランス感覚は入社以来ずっと養ってきましたが、近年いい成績を残せるようになってやっと自信を持てるようになりました。ですが、私一人ができることは限られています。私は左目が見えませんので、体のバランス感覚が常人より悪く、高所には登れません。不器用なのでモノを作るのも不向きです。デザインセンスもありません。人との付き合い方も決していいほうとは言えません。皆さんにいろんな業務をしていただいて会社が成り立っているのです。私にできるのは、数字から経営状態を判断し、情報収集から社会情勢を把握し、会社の進む方針を決め、皆さんに周知し、皆さんに気持ちよく動いてもらえるよう環境を整えることです。それが私の今理想とする経営者像です。私自身、変化を恐れず、さらに理想の経営者に進化していけるよう努力していきたいと思います。
最後に、毎年、この新年のあいさつで申し上げておりますが、改めて申し上げたいと思います。
私は笑顔の絶えない会社を作りたい。みんなで笑顔あふれる会社を作っていきましょう。
私の力だけではなしえない目標です。社員一人一人が少しでも笑顔を見せることによってそれが連鎖し、会社の雰囲気づくりに繋がっていきます。引き続き、皆様にご協力を頂きながら私自身尽力していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。2021年も笑顔の一年にしましょう。
令和3年1月22日
加藤貴之